小さなお茶会 ~じるこん堂へようこそ~

匂いの迷路をひげの指すとおり進めば 少々思わぬことに出くわしても辿りつける…らしい。

09« 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. 30. 31.»11

10月の記事一覧

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 *  TB: --  *  CM: --  * top △ 

二輪レーサー映画 『FASTER』 

しょぼくれていても仕方がないので、ここいらでバイク関係の映画など。



映画といっても本物のトップライダーたちが登場してインタビューなどを盛り込んだものらしい。
らしい、というのはまだ観たことがなかったりする。

FASTER FASTER
ヴァレンティーノ・ロッシ、マックス・ビアッジ、ジョン・ホプキンス、ギャリー・マッコイ、ウェイン・レイニー 他 (2005/12/22)
ナウオンメディア(株)

*詳細を見る

特典映像には大ちゃん(加藤大治郎)のものがあるらしく、涙なしには見れないらしい。

=内容紹介=
MotoGPの世界を描いた究極のハイテク・ハイスピード・ドキュメンタリーをDVD化。

全世界で延べ35億人以上の人々に楽しまれ、2005年(平成17年)には世界15ヶ国全17戦を争いモーターサイクル・レーシング界の頂点を決めるハイテク・ハイスピードバトルを繰り広げた。
FASTER』はMotoGPの世界に初めて足を踏み入れたレーシング・ドキュメンタリー。

2003年(平成15年)のカンヌ映画祭にてプレミア上映され、2005年秋、日本で多くのファンを熱狂させた本作がDVD化!
DVDならではの豪華特典映像が満載!!の一品(…だそうだ)。

スクリーンで体感するライダー達の命がけの戦いとサーキットの迫力『FASTER』はガラスの天才ギャリー・マッコイ(*時々すっごい速いんだけど転倒も多いので…)の栄光と挫折から、若き皇帝ヴァレンティーノ・ロッシマックス・ビアッジのライバル対決、アメリカの新星ジョン・ホプキンスの登場といった話題の多かったMotoGPの2001年~2002年シーズン、90年代の歴史的レースを中心にレースの世界の舞台裏に密着、ライダーや彼らの命運を預かるメカニック、チーム・オーナーやドクター、無事を祈る恋人など、レースの世界とそこで生きる人たちをとらえている。

インタビューにはケニー・ロバーツケヴィン・シュワンツウェイン・レイニーといった往年の名ライダー達が参加。
麻薬的とも言える勝負の世界の魅力と伝説を生んだ数々の名勝負、そして引退後の人生まで、彼らが命を捧げたレースの世界について語り尽くす。

=ナレーション
ユアン・マクレガー
出演映画『トレイン・スポッティング』、『スターウォーズ I~III』、『ロボッツ』、『ビックフィッシュ』などなど多数。
ハリウッドでも屈指のバイクフリークとして有名。
2003年のカンヌ映画祭では主演映画の行事そっちのけで『FASTER』のプレミアツーリングに参加するほど、この作品に情熱を注ぎ込んでいたとか。

=特典映像=
①『FASTER&FASTER』(約49分)
劇場でのオールナイトイベントで一度きりの上映を行った本編の続編『FASTER&FASTER』を収録。
加藤大治郎の悲劇の死、彼の意志を受け継ぎチーム一丸となって、サーキットで戦うセテ・ジベルノーの姿。
そして、王者ロッシが自分の実力を試す為に選んだ選択とは?
ファンに多くの話題を振りまいた2003シーズンから2004年のシーズンの始まりまでを熱く捉えている。

②『ビハインド・ザ・シーン』(約73分)
MotoGPファンにはたまらない本編未収録の映像が満載。
この作品制作後におしくもこの世を去ったバリー・シーンのインタビューをはじめ、カンヌ映画祭のプレミア上映にてユアン・マクレガーとヴァレンティノ・ロッシをはじめとするライダー達がカンヌの街を走り抜ける貴重な映像、そしてユアン・マクレガーのナレーションで短編ドキュメンタリーとして仕上げられたウェイン・レイニーエディ・ローソンの2004年のカートレースでのバトルの様子を追った「レースに終わりはない」など計14のチャプターでライダーやレースを支える人達の素顔に触れる事ができる。

③「インタラクティブDVDエクストラ」(マルチアングル合計 約34分)

by アマゾン君



詳しくは知らなかったのだがアメリカ映画なので、イタリア人のロッシとビアッジの確執(*)を皮肉って笑いものにしているとか、オーストラリア人選手をさっぴいてるのは納得できないとか、観ていて不満のファンもいらしいが2003年(平成4年)のカンヌ映画祭でプレミア上映されたくらいなかなか知名度は高い映画のようだ。
ナレーションをユアン・マクレガーが担当しているというのでも有名ですな。
でもまだ観てないんだ。
なんとなく「どうせ日本人ライダーは脇役扱いなんじゃろう」という気がしてあんまし気合入れて観ようとしないせいなのだが~なはは。

(*)ロッシが破竹の勢いで成績も人気も伸びていた頃、レストランではしゃいでいると、ビアッジのグループがいて「ヒヨッコ」扱いされたロッシがマジ切れ、以来同クラスになって戦うようになってからも「ビアッジを抜いてやる!追い越してやる!」の一念!?で走っていたとかなんとか。
500cc・Motoクラスにステップアップしてからは、ますますライバル意識バリバリ。
お互い会っても口も利かない目線も合わせないという徹底振りで、レース中にビアッジがロッシの前で足を出したり、ロッシはロッシでビアッジを抜いた直後に中指立てたりと、TVを観ているだけでもその不仲ぶりがよく分かる関係だった。(見ている分には面白かったお)
後年ロッシが「ドクター」と呼ばれるほどの連戦連勝の二輪王者になってから、やっとビアッジと和解したとかなんとか。
ロッシが超絶人気モノだったので、なんかビアッジが悪者みたいな印象だったけど、でも、でも、個人的にはビアッジのこともキライじゃないのよ~(´д`;)とほほ。

ビアッジはその昔から結構な日本びいきで、今みたいに日本食がブーム!とか言われているはるか以前からインタビューで

スシ、大好き!( ゚∀゚)」

とか言ったりしていたイタリア人ライダーだったのだ。
感情表現も素直で、レストランでもはしゃぎまくってたロッシ(当時まだ少年)が気に入らなかったので「ヒヨッコがチャンピオンと同じ場所にくるな」って言っちゃったんだろうし、その後ロッシが同じクラスになった時にもお互い絶対相手に対してのコメントはしなかったし(ロッシが1位でビアッジが2位とか3位の時のインタビューコーナーで)、でも自分が勝ったときはめっさうれしそうだったりとか、連戦連敗(ロッシに対して)が続いた頃のインタビューではさすがにものすごく落ち込んで皮肉を言う元気もなくて呆然と

「勝てない理由は…分からない。多分…彼(ロッシ)が完璧だからだろう…」

みたいなことをカメラの前でしょぼくれて語ったりしてたのよ。
プライドは高いんだけど愛嬌もあるのよぅ~。
判官びいきの日本人魂をくすぐるのよぅ~。

ま、確かにロッシほど映画の主人公にぴったしのキャラライダーもいないんだけどね。

スポンサーサイト

バイクとレースとノリックと 

2007年10月13日(土)、東京青山にてノリック(阿部典史)の葬儀・告別式が行われた。
私は結局東京には行かなかった。

だから自宅でひっそりと黙祷。
お葬式に行かなかったせいか、ニュースから一週間たった今、どこかで「ほんとなのかなぁ…」と実感の湧かない部分もある。
昔レースを一緒に観に行っていた知人と久しぶりに連絡をとってみたら、

「今期だけでヤマハのトップレーサーが立て続けに3人も亡くなっている、なにかあるんじゃ?と思ってしまうよ」

というようなことを言っていた。
彼女はもともとホンダの創始者である本田宗一郎のファンでレースが大好きでどこかの雑誌の記者というわけではないけれど、レーサーに会えば個人的にガンガン取材も行うという活動的な人で、私など間接的にしか知らないレーサーの意外な素顔を教えてくれたりもした人だ。
私はそんなこと考えもしなかったけど。



ニュースの直後、情報がほしくてネットで2ちゃんなんか見ちゃって余計悲しくなった。

「プロのレーサーが公道で事故って死ぬなんて恥だろ」とか「レーサーがバイクに乗ってて死んだんだから本望だろう」とか「公道じゃなくてせめてレースで死ねばよかったのに」とか「プロだったらプライベートでは(事故ったらダメージの大きい)バイクじゃなくて車に乗るべきだった」とか、…もおね、がっくりくるような発言が多くて。
多分、普段は別にバイクに興味なくレースにも興味なくて、ノリックのことだって実際はそんなに知らないし関心もないガキが暇つぶしに書き込んだものなのだろうって思うんだけどさ…。(もちろんそんな人ばかりではないけどさ)


私もさ、今でもこう言われるんだよね。

「あなた、いつまでバイクに乗るの?
もうそろそろやめたら?
もしケガでもしたらどうするの?
ご実家のご両親も心配してるし、何かあったら私が合わせる顔がないわ」


まあ、この方はもともとバイクが大嫌いで、その昔買ったばかりの息子のバイクをその息子の留守中に無断で売り飛ばしたことがあり、怒った息子に対して

「だってあんな目障りなモノが自分の家にあることがガマンならなかったのよ!」

と逆切れした強者なのだが…。
(だからってバイクを手放すほど私もおとなしくもないわけだが…)
まあ、当の「ご両親」は少なくともその方よりは私の性格を知ってるので今更「乗るな」とも「やめれ」とも言わないんだけどね。
なにしろ自分が趣味で船に乗って日本海の荒波に揉まれている人なので「危ないからやめろ」というなら「あんたこそ!」と言われるだけだとわかっているから。



バイクは車に比べると事故った時のダメージが大きいのは確かにそうなのだが、「危ないから乗るべきではない」というのならそれは車も電車も飛行機も船も基本的には同じだろうと私は思っていたりする。
事故にならないように気をつけるべきだとは思うけど。




バイク乗りにもいろいろなタイプがあって、私はどちらかというと自分でドレンボルトを締めたこともないヘタレライダー。
ツーリングでも基本的には左車線をのんびり流すタイプだ。
それでも嫌がらせで車に幅寄せされたりすることもあるし(思いっきり左に寄ってこられたので右に逃げたら今度は右に寄ってこられたり)、スピードは出していなくても事故に遭う時は遭うし、実際車と衝突して5、6mくらい吹っ飛んだこともある。
乾いたアスファルトの路面をメット越しにガーーーーッと滑っていったことは今でも覚えている。(以来メットは必ずフルフェイス)
当時のバイクはフロントフォークが「くの字」に曲がって廃車になったが、幸い自分自身は打ち身のアザができたくらいでほとんど軽症の無傷だったのはただ単に運が良い方だったのだろうと今は思う。

その頃もよく「(事故にもあったし)そろそろやめれば?」と言われたものだ。
でも、当時も私は何故“そろそろ”なのかイマイチ不思議で仕方なかった。
バイクも車も乗り物には変わりないのになーと。
私は当時から「ママでもライダー、おばさんでもライダー、おばあちゃんになっもライダー」という自分をぼんやり想像していたんだけど。
要するに、バイクに乗っていない人からすると「バイク」=「無謀な若者、学生の乗り物」というイメージがあったのだろう。
大人になったら卒業するもの、というような。

その頃からかれこれ10年以上になる。
当時「若者」だったライダーたちも現在はそこそこいい大人になって、バイクをめぐる環境も少しは成熟してきたんじゃないかと思う。
レースを観に行っても、すっかり昔マンガになってしまったしげの秀一のマンガ『バリバリ伝説』の頃ようにいかにもなリーゼント頭に黒い革ジャン、いかにもな族組はあまり見かけない。


バリバリ伝説 35 (35) バリバリ伝説 35 (35)
しげの 秀一 (2001/07)
講談社
*詳細を見る



むしろサーキットには小さい子供を連れた家族連れの方が多いのでは?というのんびりした雰囲気がある。
もちろんぴちぴちした若いコたち(?)も多いけどw。

レース中にはクラッシュや接触事故も時にはある。
とんでもない馬力のモンスターバイクを極限まで操って繰り広げられるレースの世界ではあるが、当のレーサーたちの言葉を雑誌などで拾っていると、

「レースは公道よりも危険は少ない」

とよく言われている。
理由は、少なくともコースを逆走する迷惑車両も突然飛び出す子供もいないから。
コース上には落石も陥没もなく、砂が載ったりしてもすぐさま整備員が除去してくれるし、安全が確認されているからこそキツイRのコーナーもギリギリのスピードで突っ込んで立ち上ることができる。
たまにすぐ前にクラッシュしたバイクのオイルに載って滑ったりというアクシデントは起こりうるけれど、それもコースを見守る整備員の合図で知ることができるし、あまりにも危険だと判断されたらレースそのものが中断されたりする。
また悪質な走行妨害は当然ルール違反だしライダーの命にも関わってくるというのは周知なので、いくらポイントのためであってもあえて他車を潰しにかかるというアホウはそうそういない。(たまに露骨に悪意を持って邪魔してるだろ!?という場合もあるが)

なにより、レースはライダー一人の仕事ではない。
メカニックや監督、スポンサーなど多くの人々の仕事の上に成り立っている。
速さはライダーだけのものではなく、本番までのあらゆるメンテナンスとセッティング、コースや気象条件に合ったタイヤのチョイス(どのメーカーのどんなタイプのものを使うかで明暗が分かれることもある)といったものからすべての条件を満たした上で行われる。

速いマシンを手に入れたライダーが速いのは当たり前だけど、速いマシンは本番までの細かいセッティングや地道な走りこみのデーターによって支えられている。
ライダーの癖にあったマシンに調整したり、あるいはマシンの性能にあった走り方を模索していかなければならない。
乗っているライダーがメカニックに何を伝えるか、伝えられるかでそのセッティングも変わってくる。
特に言葉の違うさまざまな人々と関わる外国のチームでは、ライダーのコミュニケーション能力も重要な要素だったりする。

「速いマシンくれよ(作れよ)!」

だけでは、速いマシンはできない。
また、ただ無茶で無謀な走り方をするだけで速く走れるという単純なものでもない。
もちろん才能と強運というものも必要だろうけど。

大方は雑誌のインタビューやTVの解説を聞いているだけだなのだけど、いろいろレースを観てて思ったのは、プロのライダーたちは一般人ライダーよりよほど謙虚だったり人間的に落ち着いている。
多分、気まぐれな気分屋には「レーサー」は務まらないのだろうと思う。



レーサーは公道を迷惑走行するいわゆる珍走族とはまったく違う。
彼らはバイクをとても繊細に扱うことができるバイクのプロではあるが、どんな危険も回避もできる技を持っているわけじゃない。
彼らがサーキットのコースをバイクの性能を極限まで活かして(あるいは制御して)走れるのは、ある種コース上が「安全」だからできることだし、そもそもレースには絶対的な「ルール」があり、戦うライダー同士には共通の「目的」があって成り立っているスポーツだからだ。

そして、レースで事故って死ぬことが「本望」だなどと(おそらく)誰も思ってはいない。
なぜならレースは「勝って何ぼ」「完走して何ぼ」なのだ。
頭のイカれたライダーの力量だけで勝負できる底の浅いものではない。

正直、自分はバンク角に意味を見出せない亀ライダーでレースもそう細かい部分を語れるような通でもない。
でもしばらくレースやライダーの動向を長く見ていると、彼らがいわゆる「珍走族」とはまったく別の人種だというのは分かる。
ヘルメットを脱いでしゃべる彼らは極めて礼儀正しく控えめで真面目な「職人気質」な様子が伺える人種が多い。(性格の差はいろいろだが)

ちょっと前に、「いわゆる不良少年を鍛えてバイクのレースに参加させてみる」といったTVの企画があったような気がする。
「怖いもの知らずのぶっ飛んだヤツ=速く走るにちがいない」という感じで始まったんだっけか?
でもその経過はとても無残だったように覚えている。
始めは口も態度も大きく自信満々にカッコイイことを言っていても、自分の思うほど速く走れない、思うようにマシンを操れない、どんなに速いつもりでも「普通のやつら」の方が自分よりも断然速い…という事実に腹を立ててバイクを投げ出す者もいたと思う。

「マシンが悪いせいだ!」

というような怒り方をしていた者もいたんじゃなかったか。




恐ろしいスピードで走るには「信頼」が必要だ。
チームやメカニックが全面的にバックアップしているという信頼や(時々これがなくなってどうしようもない時さえあるが)、自分の乗るマシンに対する信頼、コースが安全だという信頼だったり、自分を応援してくれている家族やファンに対する信頼だったり、戦いで必ず生き残ってやるという自分自身に対する自負や自信だったりだ。

レースは勝つ時もあれば当然負ける時もある。
負けた時にどのように次のレースに自分を持っていくかという試練もある。
こればかりはライダーたちの精神的な強さが求められるのかもしれない。
気持ちの持ちようは他人にはどうしようもないからだ。
いつまでもくよくよし悲観していてもダメだし(しかしくよくよしながら走り続けているライダーもいるw)、ただ何も考えずに楽観的に挑んでもダメだし、ひたすら「自分が悪かったから」とメカニックに伝えるべきことを伝えられないような控えめさだけでもどうにもならない。
巻き添え転倒をくらってリタイアすることだってあるけど、それも「あいつが悪い!」と腹を立てているだけでもダメだ。(これが致命的にポイント争いに関わる場合でも)
逆に怒りをストレートにぶつけることができなければチームがまとまらない時もある。

どのスポーツでもいえることだが、すごいスピードで走っていても、自分への応援というのは大きな力になるのだそうだ。
特に遠い海外でのレースの場合、視界に入る日の丸や「がんばれー!」という声援はとてもありがたいものなのだと。
同時にそういったプレッシャーに耐え、応援に応える精神力も求められる。
結果が出なければ翌年は「レーサー」でいられるかどうかも分からない厳しい世界で、無茶な走りで転倒し怪我をすればそれで終わりなのだ。

だから、「レーサーがレースで死ねれば本望」などというのは全く違うと思う。
少なくとも、私が知るライダーたちの目標や志は「レースで死ぬこと」なんかじゃない。
当たり前だが「勝つこと」であり「完走すること」だ。
そのためには「ケガをしない」「転倒しない」ということも大切だとみんなよく分かっている。




不思議なもので二輪のレーサーは「速い=人気がある」というものでもなく、どこか人間的な魅力がないとファンもそっけなかったりする。
そういう意味でも、ノリックのような人気のあるライダーは日本の二輪レース界においても稀有な存在だった。
ただ速いだけでなく、ファンを大事にするライダーとしても人気があった。
現在世界王者と呼ばれているV.ロッシがずっと若い時から憧れるような存在だったライダーであるように、目標とされるライダーでもあったのだ。
昨日の告別式にはそのロッシからも弔電が来たと聞いた。

国によっても彼らのステータスはずいぶん違い、イタリアやスペインでの彼ら「レーサー」の知名度や成績による接遇のよさは時に「国賓」並の扱いを受け、名誉を伴う場合もあるほどだ。
日本人で外国の王室・皇室に謁見を許された人物はそうそういないだろう。

「名誉」

日本のファンの間でも使われることの少ない言葉(感覚)な気がするなぁ…。
それはレースに限ったことではなく社会的な風潮なのかもしれないけれど。
世界の二輪レースで「名誉」が重んじられるのは、危険と隣り合わせであるという事実も多分にあるのだろうと思う。(F1でもそうなのだろうけど)

厳しいギリギリの状態で戦い、生き残り、そして勝つ。

勝ったものには賞賛されるだけの価値がある、という意味で「名誉」が与えられるのだ。

ノリックもその一人だった。




だから「プロのライダーが公道で事故って死ぬなんて恥だ」などと分かったようなことは言ってほしくない。
あってはならないことだけれども、事故は起きてしまい、プロのライダーだろうと避けられない事態だってある。
ノリックは(他のライダーもそうだけど)レースで走るだけでなく、バイクの安全運転講習会や体験学習といった、バイクを楽しむための啓蒙活動にも多く参加していた。
あの日その時間にバイクに乗っていなければ、なんて言おうと思えば言えることだけれども、一部で言われていたように「スピードを出しすぎていたんだから死んで当然」などと知ったように言ってほしくない。

私は自分がバイクに乗っているから(亀ライダーだけども)なんとなくだけど分かる。

ライダーってのは、単純にバイクがスキなのだ。
バイクというマシンが大好きなのだ。
公式レースもプライベートも関係なく。
だからこそレーサーになったわけで。





ノリックはその語り口も軽やかで、実際の走りからも解説からもレースとバイクの楽しさを教えてくれたライダーの一人だった。

だからまだ32歳で亡くなったことが本当に残念でならない。
ただただ悔しく残念だ。
多分、遺影を前にしてもまだ言葉が出ないだろう。
昨日はノリックらしい晴れたすがすがしい青空が広がっていたそうだ。

★【Norick Abe Official Website





伊藤真一というもうひとり好きなライダーがいるのだが、彼は個人的な友人としても葬儀に参列していたと知って少し意外だった。
ノリックと伊藤はライダーとしての性格が正反対だと思っていたから。
伊藤がまたくよくよとしていなければいいが…。

バイク *  TB: 0  *  CM: 0  * top △ 

ノリック、なんであんたまで…(泣) 

世の中が連休中だった時。
夜中にうたた寝してたらニュースの声が聞こえてきた。

「バイクが…トラックと衝突…現場はUターン禁止の…アベさんは…」

ああ、バイクの事故かぁと寝ぼけた頭でニュースをぼんやり聞いていた。

「アベノリフミさんは“ノリック"の愛称で親しまれて…」













ノリックーーーーッ!?

アベノリフミって阿部典史のことなのかっ!?


がばっと目が覚めた。
事故?じ、事故起こしただけだよね!? し、死んでないよねっ??
つーかニュース、こんなことあっさり一般事故と同じコメントで終わらせんなーー!

焦ってTVのチャンネルを変えてみたけどどこも取り上げてない。
慌ててネットに繋いだら…

ほんの短く、そっけないニュースが。

「うそだろう…!?」

ネットのニュースはあまりにもあっけなさ過ぎた。
ついこの前、日本GPで辻やんと解説してたのを見たばかりだった。

2003年4月に大ちゃん(加藤大治郎)が死んだ時を思い出して呆然とした。
大ちゃんはレース中の事故がもとで亡くなった。
事故はスズカサーキットでレースを観戦していた目の前の出来事だった。
それまでは「レース中のクラッシュもたまにはないとつまんないしね♪」なんて不謹慎に思っていたくらいだったけど、すぐ近くのコース上でピクリとも動かず横たわる大ちゃんの姿に、初めて本当に血が引いて足が震えた。

大ちゃんは事故から2週間ほどして亡くなった。
このまま順調に回復するかな?と少し安心した頃だったので、その死亡ニュースを知った時は本当に本当にショックだった。
他人の死でこんなに胸が潰れるか!?と自分でも不思議なくらい毎日泣いた。
仕事も普通にしていたし、友達とお馬鹿なおしゃべりもしてたし、外でおいしいものもいっぱい食べてた、自分もバイクに乗ってツーリングに行ったりもしていた。
でも、一日に一度は唐突に声を上げて泣かずにはいられなかった。
泣いたからって死んだ人間がどうなるものでもないことくらい知っている。
でも泣かずにはいられなかったのだ。

ほんの4年前のことだ。
でもいつまでも泣いていたわけでもなく、やっぱりGP観戦にも出かけたし、相変わらず自分でもバイクに乗っている。
あの童顔の大ちゃんも生きていれば30歳になっている。





ノリックだってまだ32歳だったのだ。
大ちゃんの分まで生きるんじゃなかったのかよ。
公道での事故とはいえ、あんたまでバイクに乗ってて死ぬなんてあんまりだろ。

ウ ワ ァ ァァ ア ン !!
  。・。∧_∧。・。
。゚   (゚´Д`)  ゚。
  o( U U
   'ー'ー'


★【ノリック阿部、再び全日本へ1


事故からしばらくすると、少し大きく取り上げているニュースがあった。
バイク関係の記事ってだいたいこうだよな…。
「海外が大きく取り上げる」→「日本で報道」みたいなさ…。

★【ノリック事故死、海外でも大きく報道…ファンは現場に献花
サンスポ.COM 2007年10月9日更新より

「ノリック」死す。
オートバイのロードレース世界選手権(WGP、現在のモトGP)を3度制した阿部典史(あべのりふみ)さん(32)が、同市内でオートバイを運転中にトラックと衝突し、死亡した事故から一夜明けた8日、天才の悲報が世界を駆けめぐった。



英オート・スポート紙(電子版)は、WGPの優勝ライダーである阿部さんが公道上で亡くなった皮肉な事件として報道。
前身大会を含めてモトGPで5連覇したV・ロッシ(イタリア)が、阿部さんにあこがれて名前をもじり、「ろっしふみ」と名乗った逸話などを紹介。
熱狂的なオートバイファンの多いイタリアの大手スポーツ紙「ガゼッタ デロ スポルト」(電子版)もトップページで、サッカー・セリエAの結果とともに、WGPを初制覇した1996年の日本GPの写真付きで報じた。

一方、事故現場の川崎市川崎区大島の市道にも多くのファンが訪れ、小雨がぱらつく中、「ノリック、ありがとう」などとの手紙とともに献花した。

神奈川県警によると、現場は片側2車線。
7日午後6時20分ごろ、左車線を走っていた4トントラックがUターンし、右側を後方から走ってきた阿部さんのオートバイと衝突した。
阿部さんは搬送先の病院で死亡。現場はUターン禁止だった。

父親でオートレーサーの阿部光雄さん(58)は8日、浜松オート第9レースに出走予定だったが、7日中に悲報を受け、レース参加解除の手続きをとった。

光雄さんは8日のテレビ朝日「スーパーJチャンネル」で、阿部さんについて「若いころから檜舞台に出て、ラッキーボーイでした」と話すと、「(事故死という)この落差が、親としてはひどすぎる」と声を詰まらせた。
川崎署は自動車運転過失致死容疑で、トラック運転手(51)から引き続き事情を聴く。


◆阿部さんが所属するヤマハ発動機の梶川隆社長(63)
「この悲報に接し深い悲しみでいっぱいです。
阿部選手は日欧米やアジア諸国はもとより世界のファンの皆様から親しまれ、世界のモータースポーツ界を代表する貴重な人材でした。
今年は14年ぶりに日本国内でのシリーズ戦に参戦することになり、国内のファンの皆様から改めて期待が寄せられていた矢先のことで残念でなりません。

ここに阿部選手の他界を悼み、心よりご冥福をお祈り申し上げます」


阿部典史(あべ・のりふみ)
1975年9月7日、東京都生まれ。
父親はオートレーサーの阿部光雄。
父の影響で5歳からバイクに乗り、1991年に中学卒業後に渡米しレース修業。
1993年(17歳)に全日本選手権500ccで史上最年少チャンピオンに。
翌年から世界選手権(WGP)に参戦し、1996年(21歳)の日本GP、1999年(24歳)リオGP、2000年(25歳)の日本GPで3回優勝した。
2002年に美智子さんと結婚。
今年から全日本ロードレース選手権に復帰。


【葬儀・告別式】

通夜は12日午後6時。
葬儀・告別式は13日午前11時。
東京都港区南青山2-33-20 青山葬儀所。
喪主は父、光雄氏。




ノリックの登場を知った頃、彼はまだ黒髪が長くて顔も女の子みたいにあどけなかった。

「こんなカワイイ子があんなにバカッ速いってどーゆーこと!?」

ってびっくりしたもんさ…。
最後まで驚かせやがって… 


バイク乗りはなぁ、バイクで死んじゃだめなんだよ!
特にあんたみたいにこれからの日本レース界とファンを繋いでいけるような人はさ。

…ノリックのあほっ(泣)。 




ニュース *  TB: 0  *  CM: 0  * top △ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。