小さなお茶会 ~じるこん堂へようこそ~

匂いの迷路をひげの指すとおり進めば 少々思わぬことに出くわしても辿りつける…らしい。

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秋里和国 『青のメソポタミア』 ② 

第1巻
第2部(*基本ネタばれ注意です^^;)

紀元前23世紀頃のメソポタミア地方
ティグリス川ユーフラテス川に挟まれた肥沃な大地。
この地方のシュメール人国家は、都市国家ウルクの王・ルガルザグギシが支配していた。

その地方都市国家キシュで、無能な王・ウルザババを蹴落としてキシュの王となった宰相がいた。

彼の名はサルゴン

イアンナ神の子としてシュメール人に戦いを挑むサルゴン。
彼はキシュの王としてルガルザグギシを倒し、またたくまにティグリス・ユーフラテス川流域、果ては地中海からペルシャ湾までもを制覇し、古代史上初の大帝国を築き上げた。

名君、アッカド王朝創始者・サルゴン大王である。
アッカド王朝は、その後5代140年間続く。


メソポタミア地方

★【店主随想第十六話「麦酒」】より地図参照。



が、物語はそのサルゴン大王が帝国を築くさらに1700年ほど前に遡る…。





<登場人物>
☆サルゴン中佐(カイン・アベル・サルゴン)
皇太后の隠し子。
アダム王子の暗殺を皇太后から依頼されていた。

「このばかものが!
 おまえはわたしの何を見ていた!?

 私の王家対する憧憬の念も見抜けずになにが補佐官だ!!」




☆補佐官ナハリオ(エシュマ・ナハリオ)
補佐官養成所を主席で卒業した優秀な補佐官。
ちなみに補佐官は男性機能を切除されている。

「おかしい…おかしいかもしれない。

 中佐に見限られた…
 4年間共に異星や戦地を駆け巡ってきて…」




☆アッカド王朝皇太后
優秀でたくましく母親に忠実、情夫としても文句なしのサルゴン中佐を取り立てつつも、国王ジウドの策略にも動じない非情な女。

「サルゴン殺しでわたしが動じるとでも思った?」



☆ジウド王
臆病ものゆえ、急接近する継母皇太后と皇太后の隠し子であるサルゴン中佐に怯え、いつしか保身のために己も非情にもなっていく。

「サルゴンに全ての罪をかぶって死んでもらえばいい」



☆アンダ(アンダ・エンシ・エ・シュメール)
アダム王子の叔父。
アッカド王朝とサルゴンに対し、賤しくも王族であるシュメール家をないがしろにしたことで復讐心に燃える。

「姉さん!アダムは事故死なんかじゃない!殺されたんだ!」



☆エリ
サルゴン中佐の妻。
明るく屈託のない美しい女性。
夫であるサルゴン中佐を心から愛し信頼している。
サルゴン中佐にとっても安らぎを感じられる伴侶である。

「素直でいい子なのよ、愛嬌もあるし。
 性格があなたに似なくてほんとよかったわ。

 でもね、ハンサムなとこがあなたにそっくりで
 私とってもうれしいのよ♪」




☆アガデ
サルゴンの息子。(1、2歳くらい?)
サルゴンに似ず愛嬌のある素直ないい子。(by妻談)



☆キリシャ
エシュマ(補佐官ナハリオ)の年子の弟。
二人に親はいないが、兄が補佐官であるおかげで何不自由なく暮らしている。
感情を押し殺した兄と違い、明るく屈託がない。
サルゴン家とは親戚のように親密な付き合いで、エリとも仲がいい。

「人間が機械になんかなれるわけないもん。
 兄さんは人一倍感情が豊かなんだと思う」







サルゴン中佐率いる惑星“青”の調査団が生存者2名で生還。
人口18億2,795万9,921人の惑星エンリルでは第183代国星王ジウド7世が誕生していた。
アダム王子を含む乗員のほとんどが死亡した事故は、シュメール家ではアダムが暗殺されたのではないかと疑っていた。
サルゴン中佐はその後、皇太后に気に入られ公然と王宮に入り浸り、皇太后の情夫とまで噂され始める。
サルゴン中佐は、自分が王となるためには皇太后へ擦り寄ることも厭わないと、王宮への無謀な接近を諌める補佐官ナハリオを暴言を吐いて解任してしまう。
しかし、それはナハリオを愛するが故からだった。

アダム王子を皇太后とサルゴン中佐に暗殺されたと疑わないシュメール家の動きに気づいたアッカド王家は、内乱を避けるためにある策略を思いつく。

王宮に入り浸るサルゴンはある日シュメール家の飛行艇から攻撃を受け…。

しかし、サルゴン家を攻撃したのは他ならぬアッカド王朝のジウド王と実の母でもある皇太后の策略だった。
サルゴン中佐とナハリオはその攻撃によって自爆死亡。

キリシャは兄エシュマ(ナハリオ)から、中佐の願いはアッカド王朝の王になることだった…という告白を受けていた。(中佐の真意ではなかったが)

中佐の手配で何とか生き残ったサルゴン家の人々とキリシャは、シュメール家の追撃を逃れるため(実際はアッカド王家の攻撃だったが)惑星“青”へと降り立つ。

“青”で王家の血を引くものとしてキリシャに育てられたサルゴン中佐の息子アガデは、シュメール家を恨み続けて成長し、その物語は代々語り継がれて行くのである…。








秋里和国のSFです。
発想のもとが聖書やシュメール文明をもとに描いたSFです。
うーん、やっぱりこの頃の秋里和国の絵は好きだなぁ。

というか、こう言う人間関係のどろどろしたお話が好きなのか。
いや、そうでもないか。
メソポタミア文明の始祖が宇宙人だったら…という発想で描いたらおもしろそう!というノリで始まったらしいですが、この手のお話はたしか小説なんかでもあったような。

アイザック・アシモフの小説とか、ジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』とか『断絶への航海』とか。
星を継ぐもの 星を継ぐもの
池 央耿、ジェイムズ・P・ホーガン 他 (1980/05)
東京創元社

*詳細を見る


断絶への航海 断絶への航海
ジェイムズ・P. ホーガン (2005/02)
早川書房

*詳細を見る


この辺りの本も併せて読んでみてもおもしろいと思います。
内容はまったく関連ないですけど、発想がおもしろいので。




で、この第2部のラストから1700年後が物語冒頭、サルゴン宰相の

「わが祖先の恨み、思い知るがいい!」

に続くわけです。
うーん、1700年に渡る怨念ですよ。
その怨念はすでにDNAレベルに刷り込まれていたりして…。

第2部では、割とサルゴン中佐とナハリオ補佐官の微妙な関係が表現されていますが、この顕微鏡で覗かないと分からないような「愛」の形を当時の読者は悶えながら読んでいたかもしれません。
しかし、その一方であのサルゴン中佐がフツーの可愛らしいお嬢様と結婚して、フツーに愛らしい子供をもうけ、フツーに子煩悩に愛妻家だったってのは今読むと意外な背景です。
なにしろ気に入らない人間は「原子分解してやりたい」が口癖の周囲からやや恐れられているような強面さんですから。

やっぱり「顔」であの奥さん捕まえたんでしょうか。
それとも捕まえられたんでしょうかw。



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