小さなお茶会 ~じるこん堂へようこそ~

匂いの迷路をひげの指すとおり進めば 少々思わぬことに出くわしても辿りつける…らしい。

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秋里和国 『Jazz-Tango』 

「ジャズ・タンゴ」= 男女の見境なく色欲にふけること。
「スイッチ・ヒッター」= 男でも女でもどっちともできるいわゆる「両刀遣い」のこと。

Jazz-Tango Jazz-Tango
秋里 和国 (1998/06)
小学館

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優しい両親。頼れる悪友。水泳部のホープにして、湘南を闊歩するサーファー・鳥羽一臣の平穏な日常が、自分とそっくりの容姿をした山王丸が現れた日から、少しずつ変わりはじめ…。
愛憎の表裏にせまるサスペンス・ロマン!

-表紙裏扉より-



<作品メモ>
秋里和国
『Jazz-Tango』ジャズ・タンゴ


小学館プチフラワー】(#1~#5)
1997年(平成9年)9月号~1998年(平成10年)5月号に掲載。
小学館【PFコミックス】 1998年(平成10年)7月 初版発行版
定価 : 510円(本体486円)



=登場人物=

鳥羽一臣(うば かずおみ) 愛称:ズオミ
男子校の花形水泳部員(神奈川代表、真面目にやれば日本代表も夢じゃないと言われている)であり学園の「抱かれたい男No.1」のアイドルでもある。「俺はガキとバカの売る喧嘩は買わない」がROE(Rules Of Engagement)の鎌倉は湘南のサーファー、好物はバタール。私立鎌倉山学園の高校3年生(17歳)。

「シダ」れ桜 風に吹かれし 若枝を

ロッカーの落書き「シダ」に対し、一臣が書いた和歌の上の句。

梅原(うめはら) 愛称:梅ちゃん
一臣の悪友で高校の生徒会長。17歳。

鳥羽由実子(うば ゆみこ)
一臣の母。かわいらしい、天然ボケの女性。47歳。

鳥羽猛史(うば たけし)
一臣の父。禿げちょびんのおっちょこちょい。50歳。

山王丸夜明(さんのうまる よあけ) *名前が「夜明」だっただ!(今気がついた…)
一臣のそっくりさん。ロンゲのサーファーで趣味は「ジャズ・タンゴ」。一臣の前にルーズソックス&ミニスカートの女子高生の制服、髪に花の髪留めをつけた姿で現れる。山梨から鎌倉へ転校してきたアブノーマルな男子高校生。実は10歳の時から本田勇人に引き取られて水泳をやっていて非公式で日本記録タイを持つスイマーでもある。17歳。

手折りて君の 腕を縛らん

一臣の上の句に対して詠んだ山王丸の下の句。

本田勇人(ほんだ ゆうじん)
鎌倉山学園水泳部にやってきた新しいコーチ。元オリンピック強化チームのスイマーだったが、6、7年前の交通事故で左腕(ひじ下?)を失している。山王丸の保護者であり、水泳選手としてのコーチ。性格は…かなり歪んでいる。スイス人(シダという不治の病気で入院中)の妻オリビエがいる。
黒髪に口ひげの風貌は友井さん似。(作者の好みか?)






【じるこん堂】にある秋里和国のマンガはこれで最後です。
前回の『ルネッサンス』全2巻から時間的にかなり飛んでいます。

ルネッサンス 1 (1) ルネッサンス 1 (1)
秋里 和国 (1990/08)
小学館

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過去記事参照
★【秋里和国 『ルネッサンス』全2巻


といってもこの間にもマンガはどんどん描かれてはおります。


それでも地球は回ってる 5 (5) それでも地球は回ってる 5 (5)
秋里 和国 (1986/03)
小学館

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(単行本)



それでも地球は回ってる (3) それでも地球は回ってる (3)
秋里 和国弐 (1995/04)
小学館

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(文庫本)



MADE inニッポン 4 (4) MADE inニッポン 4 (4)
秋里 和国 (1988/01)
小学館

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上の2作品は『ルネッサンス』より前の作品です。
学園コメディーの部類だったかと思いますが、実はラブコメは『花のO-ENステップ』シリーズしか興味のないこるちです。す、すみませんねぇ。

過去記事参照
★【秋里和国 『花のO-ENステップ』全8巻

ちゃんと読み直したら昔とはまた感想も変わってるかもしれません。



THE B.B.B. 10 (10) THE B.B.B. 10 (10)
秋里 和国 (1991/05)
小学館

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(単行本)



The B.B.B. (6) The B.B.B. (6)
秋里 和国 (1997/10)
小学館

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(文庫本)

読んだことはあるはずなのに、設定、登場人物、ストーリー、ことごとく忘れ去っています。
すげぇ、ほんとに思い出せないよ…。



青のメソポタミア(2) 青のメソポタミア (2)
秋里 和国 (1991/11)
白泉社

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これはなんだかんだで売り飛ばさずに手元に残っている作品。
やっぱ、好きな作品は時代に関係ないのか…。

過去記事参照
★【秋里和国 『青のメソポタミア』全2巻①
★【秋里和国 『青のメソポタミア』②
★【秋里和国 『青のメソポタミア』③
★【秋里和国 『青のメソポタミア』④



万物は原子からなるということ 万物は原子からなるということ
秋里 和国 (1993/12)
小学館

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このマンガあたりから読んだ記憶がなくなっていってます。
多分、読んでいないような…。



空飛ぶペンギン 10 (10) 空飛ぶペンギン 10 (10)
秋里 和国 (1994/12)
小学館

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読んだけど忘れ去ってるよぅ。



ボン・クラージュ乙女 4 (4) ボン・クラージュ乙女 4 (4)
秋里 和国弐 (1996/06)
小学館

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タイトルには覚えがありますが、読んだ記憶なし。



Tomoi Tomoi
秋里 和国弐 (1996/02)
小学館

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(文庫本)

これもかなり後になって手に入れた文庫本。
どうやら字画がよろしくない…と「秋里和国弐」で名乗っていたのはこの1995年(平成7年)1996年(平成8年)の時だけのようですね。

過去記事参照
★【秋里和国 『TOMOI』①
★【秋里和国 『TOMOI』②



ハングリーマーメイド 3 (3) ハングリーマーメイド 3 (3)
秋里 和国 (1997/09)
小学館

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これも、まともに読んだことはないんだけど、男子高校生のシンクロ物語?だったような…。(おお、ウォーターボーイズのはしりか!?)
それともただの水泳物語だったか…?ん?競泳水球



で、この次に来るのが同じく主人公の男子高校生が水泳部員という『ジャズ・タンゴ1998年(平成10年)の作品です。

こううして並べてみると、作者の興味のあるものの移り変わりがなんとなく見て取れるような気がします。(あるいは読者の好みの移り変わりとも)
『ルネッサンス』の頃に比べると、絵がとても洗練されていて背景やスクリーントーンの使い方がとても繊細になっています。
デッサン的にも細かな部分にもペンが行き届いていて、全体的に「キレイ!」な絵という印象があります。



その後もどんどん作品は作られます。



ショッキングPINK-SKY (8) ショッキングPINK-SKY (8)
秋里 和国 (2001/02)
小学館

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この辺になるともう私には完全に知らない世界。



プチエゴイスト 7 (7) プチエゴイスト 7 (7)
秋里 和国 (2004/08/26)
小学館

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鈴が音のさやさや 2 (2) 鈴が音のさやさや 2 (2)
秋里 和国 (2005/07/26)
小学館

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スイートオアシス 3 (3) スイートオアシス 3 (3)
秋里 和国 (2007/01/26)
小学館

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あ、表紙を見た限りだと『TOMOI』を彷彿させるジャンルっぽいですね。






で、『ジャズ・タンゴ』です。

これ、ぶっちゃけちゃうとボーイズラブ(BL)ものにはなりますが、『眠れる森の美男』『TOMOI』のファンとしてはかなり趣味が違う方向で、私はこれを読んで「…」と沈没してしまったタイプです。
あああああ、もうこの手の過激な(?)悩める男子高校生のBLものにはそそられなくなってしまったわね…。
個人的には『眠れる森の美男』や『TOMOI』の時のような「それとなくほのめかす」ような間接的な表現の方が好きなんだなぁ。

この『ジャズ・タンゴ』のような、いきなり小悪魔的な♂が健康優良児で真面目な♂を人目もはばからずに誘惑するとか、親友が実は自分に懸想してたとか、自分にうり双子な小悪魔♂の股間にその親友が顔をうずめてたとか、なんで小悪魔♂がそんな理解不明な嫌がらせをするのかといえば実は彼には不幸な生い立ちがあって…、とかそーゆーのってもうお腹いっぱい…。

もちろん、最初は明るい学園もの意表を突く人物の登場不穏な展開乗り切って爽やかな愛の物語へ発展実は歪んだ悪魔的な復讐劇…という秋里和国的なストーリーの変化球はばっちり堪能できます。

絵は随分洗練されていて表現も細やかなのですが、いかんせんもうひとりの主人公小悪魔♂に感情移入も同情もできなくて、同じような双子ものの悲劇『デッド・エンド-袋小路-』や『オリジナル・シン-原罪-』でのマークとルーカスの時のような「苦いけどでもこの話には妙に惹きつけられる」といった読後感は得られなかったというのが正直なところてん。
(あくまで個人的な趣味の問題だけど)

過去記事参照
★【秋里和国 『デッド・エンド-袋小路-』①
★【秋里和国 『眠れる森の美男』

自分のこういった作品への感情を一歩引いて眺めてみると、マンガの読者(ファン)ってのはマンガ家にとっては実に冷酷な読み手でもあるよなぁ。
作家のファンであるということが、その作品のファンということには簡単にはならないのだから。
しかも、絵のテクニック(技術)が上達したら必ず「おもしろいマンガ」になるというわけでもないっていう罠。
もちろん技術の向上にともなって表現の幅が広がることには間違いないのですが。

おんなじBLじゃん、双子ものじゃん、微妙なアンハッピーエンドの何が悪いのさ!と自分で突っ込むも「でもやっぱりあの雰囲気には馴染めないのよ…歳のせいか…?」としか言えませなんだ。
もちろん人によっては『TOMOI』はつまらん、『ジャズ・タンゴ』の方がおもしろい!という感想もあるでしょう。

そういえば『眠れる森の美男』(1986年:昭和61年掲載)や『TOMOI』(*1983年:昭和58年1987年:昭和62年掲載)では同性愛というテーマに「エイズ」という当時浮上した謎の伝染病を絡めていましたが、この『ジャズ・タンゴ』(1998年:平成10年掲載)では同じくBLというテーマに「シダ」という不治の病を絡めています。

*:文庫本版『TOMOI』(1996年:平成8年3月初版発行)には、単行本版『眠れる森の美男』(1996年:昭和61年3月号~7月号に掲載)と、単行本版『TOMOI』に収録した①『気分はもう正方形』(1983年:昭和58年第3号に掲載)の友井さん視点バージョンの改訂版(1996年:昭和61年12月号掲載)と、②同じく1983年(昭和58年)第22号に掲載された『マンハッタン症候群(シンドローム)』の改訂版(1997年:昭和62年6月号に掲載)と、③その続きの物語(アフガニスタン編:1985年(昭和60年)6月号掲載とある)がまとまったものになっている。


「シダ」の他、マンガの中で取り上げられているテーマに「AID」=非配偶者間人工授精というものがあります。
これは今も時々ニュースになっていますが、精子卵子に問題があり子供に恵まれない夫婦が受ける不妊治療のひとつでもあり、まだ現在でも賛否両論に分かれているもの。(宗教的に受け付けられないという部分もあるようですが)
少子化、少子化と騒がれている現在の9年前のことです。
あまり物語りそのものの雰囲気が好きになれないので個人的なスキレベルは低いのですが、こういった世の中の時勢に先駆けたテーマをマンガの中で取り上げるのが得意なマンガ家さんなのだなぁと、改めて思います。
ちなみに「シダ」はフランス語読みで「SIDA」と書きます。



ところで、この手のストーリーではついつい「結局誰が一番悪い奴なのか?」と考えたくなるのではないでしょうか。
例えば、自分勝手な山王丸が一番悪い!自業自得→でも彼には自分ではどうしようもない不幸な生い立ちがあったのだから、引き取った本田勇人の歪んだ教育が悪い→交通事故を起こして賠償金代わりに子どもだった山王丸をあっさり引き渡した父親が悪い!→もともと人工授精で子供を産んだ夫婦が悪い!→でもだからといって自分と同じような不幸にしてやりたいという考えを実行した山王丸がやっぱり悪い!→梅ちゃんは友人として役に立っていない!→てか一臣はあっさり乗せられすぎ!とこんな感じにね。

個人的にはもう「誰が悪いとかどっちでもえーわ、んなもん!」て感じなんですけども…。




…というわけで、この『ジャズ・タンゴ』はあまり好みの作品ではないのですが、【じるこん堂】では秋里和国の最後の打ち止め作品として、他の作品との比較検討するために残されているのでした。


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