小さなお茶会 ~じるこん堂へようこそ~

匂いの迷路をひげの指すとおり進めば 少々思わぬことに出くわしても辿りつける…らしい。

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漆原友紀 『蟲師』 ① 

<作品メモ>
平成11年~平成18年(1999~2006) 【アフタヌーン・シーズン】【アフタヌーン】 掲載
講談社 【アフタヌーンKC】
第1~6巻 まで発行中 *2006年現在まだ連載中

第1巻 P223 定価 533円 (税別) *平成12年(2000) 11月 初版発行

第2巻 P227 定価 533円 (税別) *平成14年(2002) 2月 初版発行

第3巻 P239 定価 533円 (税別) *平成14年(2002) 12月 初版発行
 
第4巻 P239 定価 562円 (税別) *平成15年(2003) 10月 初版発行

第5巻 P255 定価 590円 (税別) *平成16年(2004) 10月 初版発行

第6巻 P239 定価 590円 (税別) *平成17年(2005) 6月 初版発行




およそ遠しとされしもの

下等で奇怪、見慣れた動植物とは
まるで違うとおぼしきモノ達

それら異形の一群を
ヒトは古くから畏れを含み

いつしか総じて 「 蟲 」 と呼んだ
 (第1巻:冒頭より)




ものごとの境界線上にあるものって……いいですよね。
おかずとごはんをまぜると異様においしいし。
里山や海辺は表情豊かだし、
昼と夜、夜と朝の境目は美しい。
蟲の居所も、境界線上です。
まぜごはんや海辺のような……。
そんな話を描きたいです。

漆原友紀(うるしばら ゆき)
 (第3巻裏扉より)




我慢できずに順番とばしました。
んもう、ものすごく好きなマンガです。愛してるといっていいです。

平成11年(1999年)に雑誌に掲載され、平成12年(2000年)11月に単行本が書店に登場し早6年になりました。
‘最近’新しく気になったマンガができてうれしいと思っていたのに、もう6年も経ってたんですね。ちょっと感慨深いです。

単行本の発行は年約1冊、と青年誌マンガ系にしてはかなりのんびりした発行かと思いますが、不思議とこのマンガについてはじりじり待たされているといった焦燥感はありません。
それは多分、この物語が持っているゆったりとした時間の流れに読んでいるこちらも慣れてきてしまったせいかもしれません。

基本的にファンタジーの部類に入るこの物語は、作者曰く

<四>(瞼の光)の時は近代のつもりで描いたが、
他の話については時代は特定していない。
「鎖国し続けている日本」とか「江戸と明治の間にもうひと時代がある感じ」
というイメージだろうか
 (第1巻:あとがきより)

子供の頃から昔話が好きで、
昆虫理科(小学生レベルまで)が好きで、
そのまま今、こういう話を描くに至ってます。
 (第1巻;裏扉より)

とファンタジーというより昔話や民話のような、どこか懐かしい雰囲気のお話になっています。



主人公はギンコという白髪碧眼の青年「蟲師」です。

物語は、そのギンコが日本全国を旅する間に触れ合った人々とその交流(仕事)を通じて、様々な「蟲」と人間との関係を紡いでいくものです。
何故ギンコが旅を続けるのか、また日本人なのに何故容姿が白髪碧眼なのか、何故いつもくわえタバコなのか、…どうしてギンコという名なのか…。
この辺は物語が進むにつれて、少しずつその訳もわかるようになっています。






「(中略)そしておそらく、…ここらへんにいるモノ達を「蟲」…あるいは「みどりもの」と呼ぶ。

生命の原生体(そのもの)に近いもの達だ。そのものに近いだけあってそれらの形や存在があいまいで、それらが見える性質とそうでない者に分かれてくる」


「うん。透けているものもいる。幽霊みいに。
障子やふすまも通り抜ける」


「いわゆる幽霊ってやつの中にも、正体は蟲だというものもある。
ヒトに擬態できるモノもいるからな。

(中略)そういう五感で感知しにくいものを感じる時、補っているものを「妖質」という。
それは多少の差こそあれ誰もが持つ。無い者はいない。
ただ、普段必ずしも必要な能力ではないため眠らせていることが多いし---。
何かのちょっとしたきっかけでその感覚を操られるようになったり、
逆に忘れたりする。

感覚を分かち合うのは難しい---。
相手の触れたことのない手触りを、相手にそのまま伝えることはできないように。(中略)」


でもばあちゃん、僕はそのおかしなもの達が

この世界にいるってことが

嬉しくて、たまらないんだよ---
 (第1巻:<緑の座>より)


これは単行本第1話から、ギンコと左手で描くものは何であれ実体化させてしまう少年、五百蔵(いおろい)しんら君との会話です。

実際は第4話に登場する<瞼の光>が作者の講談社投稿受賞作で、『蟲師』の一番始めのお話ですが、この<緑の座>でだいたい‘蟲’のイメージが掴めるような導入部分となっています。

このマンガで描く日本の風景は山深く、緑濃い空気を漂わせています。
カラーの扉や単行本の表紙でも、和紙の上に淡く滲んだ水彩で彩られているように、独特の世界観と様々な‘みどりもの’達がギンコの視点から描かれています。

この本を手に取った時にはもう、内容も知らないのにその手触りから魅せられてしまったという猫(ヒト)はこるちだけではないでしょう。

ここ数年、古民家とか和モダンとか大正時代の着物とか蔵を改造して作ったカフェとか昔の携帯硯+筆入れ(←神社の屋台で売っていたけど、名前が思い出せない!硯つぼだったか筆つぼだったか…)とかそういったモノに心が動くのはこのマンガの不思議な時代の‘日本’に惹かれ魅せられてからなのかもしれません。

それとも、そういった穏やかなしかしどっしりとした風合いの建物や思いもかけない色彩の組み合わせが可能な衣服に心が動き始めた頃、ちょうどタイミングよくこのマンガと幸せにも出会えたということなのかもしれません。


蟲師
*平成15年度(2003年)文化庁メディア芸術祭 漫画部門優秀賞受賞作品。

このマンガは昨年10月頃からTVでアニメ放送も始まりました。
その情報を知ったのは、最新刊第6巻が出た時でした。(2005年6月)
『蟲師』公式HP↓参照
http://www.mushishi.jp/


正直、楽しみなのと不安なのとで半々の複雑な気持ちだったのを覚えています。

大好きなマンガがアニメになる時---。
それはいつも期待通りの仕上がりになるとは限らないという経験からくる不安でした。

例えば、井上雄彦 原作の『スラムダンク』。
アニメ好きなヒトごめんなさい。こるちはこのマンガのファンですが、アニメの『スラムダンク』は全く観れません。ファンなだけに観るに耐えなかったのです。数回観て、もう観るのやめてしまいました。

鳥山明 原作の『ドラゴンボール』は最初の頃はおもしろかったのに、最後の方はいつまでたってもストーリーが進まず毎回毎回同じような決闘シーンに、もったいぶった引きが延々と続くのに飽きてしまったこともありましたし。

ちょっと古いところでは池野恋 原作『ときめきトゥナイト』(*集英社【リボン】1982年~連載、1999年完結)なんつーのも(ひゃーーー!)あります。
この池野恋の‘絵’はとても不思議で、一見単純な線なので、真似して描くのも簡単そうな絵柄なのですが、ところがどっこい!描いてみればみるほどこれほど真似するのが難しいキャラクターもあるかいな!?っと戸惑ってしまうくらい難しいです。
ほんのビミョーな線の違いでかわいい主人公江藤蘭世とか、カッコイイはずの真壁くんが全く崩れてしまいます。当時真壁くんは【リボン】愛読者の間でも人気のあったキャラクターで、このマンガがアニメ化した時は友達の家にみんなで集まってわくわくしながら放送を見守ったものでした。

そして放送第1回。梅酒ソーダを片手にTVに見入る私達。
感想:………。真壁くんがカッコよくなーーーーーい!!

そうして次回から観なかったように思います。…子供は正直だ。

最近のところでは小野不由美 原作『十二国記』でしょうか。(講談社:X文庫ホワイトハート・小説)
近年のアニメ化でしたが、なんなんでしょう??悪くはないと思うんですが、観ていてもあんまり面白く感じませんでした。小説はかなりわくわくしたし、元が小説ですから映像化するにあたってはマンガ原作よりももっと自由にアレンジもできるかと思いますが、なんとなく小説よりも窮屈な印象でした。


もともとアニメから入ったマンガやアニメがもとの作品にはそういった不安はあまりありませんが、ずいぶん大人になってからお気に入りになったマンガが別の映像作品に生まれ変わる場合は、今までの失望させられてきた経験の分手放しで喜べないものなのです。

しかも、放送時間が夜中の3時とか4時!?(もう朝じゃん!)でもって放送時間は定刻ではなくて毎週微妙な時間に始まったり、3週目の放送時間は未定!?など、(おいおい、また気が付いたら打ち切りになってた…とかないでしょうねぇ?)とますます不安を煽られます。

でも、最近は便利ですねぇ。
DVDプレーヤーでHDD録画できたり、どんなに微妙な時間でも番組表録画機能のおかげで、確実に録画できるんですね!
昔むか~し、ビデオのタイマー録画でも四苦八苦していたことが夢のようです……。文明の利器、ばんざーーーーい!!

そうして、録画して改めてどきどきしながらアニメ『蟲師』に向かいます。
けっこう正座なんかしちゃったりして、いざ。プチっと。













感想:………………。うっ、うっううっ(涙)

泣きました。マジで。嬉しくて

ありがとう、長濱博史監督!
革命少女ウテナ』観てないけど、ありがとう!

あ、これは監督は幾原邦彦氏で、長濱氏はコンセプトデザインの担当だったようです。

こんなにすばらしいアニメにしてくれてありがとう!!


監督だけではなく、すべてのスタッフの皆様、ありがとう!!

オープニングから、ぐっとくるものがありました。
監督のこのアニメ、というか原作への愛に溢れた仕事にこるちは胸を突かれた思いです。

ほとんどマンガのコマがそのままアニメのコンテになっていることは珍しくはないと思いますが、ここまで原作に忠実なのか!?と驚かされました。
これは、マンガがアニメになる時、吉と出る場合と凶とでる場合とがありますが、このアニメ『蟲師』の場合は全くマンガの中での時間の流れを壊さず、かつ実に丁寧により深く映像として掘り起こしてあります。

特に感激したのが全体を通じて統一されている風景の色彩です。

日本の、雨の多い湿気の含んだ風景をとっても美しく描いてくれてます。



「緑が異様なくらい鮮やかな所だな、ここは…」

<緑の座>の冒頭にギンコの呟きがありますが、それをさらりと背景で引き立たせています。

アニメのこの色彩はすばらしいです。
山の緑、雨上がりの滲んだ風景、
海と空の緑と青、池と水の透明感、
しんしんと降り積もる雪の白、
田んぼの風景、里山の佇まい、
暖と明かりを取るための炎と梁に溜まる影、
時々ふわふわと流れていく蟲の姿、
草を踏む音、夏の薄い空の色、
朝の光と夜の闇、
様々な季節を微妙な色合いで表現する山…、
等などetc…。

もう感涙ものです。
こんなに風景に心打たれるのは東山魁夷の日本画以来です。

色にこだわりにこだわったのがよく分かります。
そうして、色と共に音響にもずいぶんこだわってます。
もう、雨の音なんか聞くだけで幸せになります。

この前観たところまでで、ちょうど第1~3巻までのエピソードがアニメで登場しました。
っが、4話分ほど飛ばしてあります。

そのなかでも、特にこるちが大好きなお話、第2巻の1話目に収録されている

<やまねむる>

順番では第1巻5話目の<旅をする沼>の次のお話なのですが、もう、待たされたのなんの!
たっぷり5話分も飛ばされて待たされ(要するに5週間連続で毎回次回予告を見る度に「ぐああああぁ~!!まだできてないのかよぅ!?まさかこのまま飛ばしてしまうつもりなのか!?」と悶え)、しかもなんですか!?<硯に棲む白>のすぐ続きで放送されてたじゃあないですか!(聞いてないよっそんなの!)

ああ、待っていてよかった…。
そんなわけでアニメ『蟲師』第11話<やまねむる>、もし抱いて眠ることができるのならそうしたいくらい愛しい作品です。


なあんて頬擦りしていたら、
!?大友克明が『蟲師』実写映画の監督するだと~?(2006年冬公開予定)
ブログ【アニメ!アニメ!ニュース】↓(2005年10月29日付けの記事より)
http://animeanime.jp/news/archives/2005/10/1029.html

今ごろ気が付きました…。ファン失格?

アキラ AKIRA』の作者で監督といえど、大好きなマンガの実写化にまたしてもどきどきのこるちです。

でも、マンガ『蟲師』が単行本になった時から、大友克明氏は絶賛の言葉を本の帯に寄せていたから、愛のある作品に仕上がると信じたいです。

『蟲師』を読む(観る)時は、やはり日本酒…もとい日本茶で頂きましょう。

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