小さなお茶会 ~じるこん堂へようこそ~

匂いの迷路をひげの指すとおり進めば 少々思わぬことに出くわしても辿りつける…らしい。

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青池保子 『緋色の誘惑』 

<作品メモ>
平成5~6年(1993~1994) 【プリンセス・ゴールド】掲載
秋田書店 【プリンセス・コミックス】
平成10年(1998) 3月 初版発行 
P215 定価 410円 (税抜き390円)
緋色の誘惑









魂の世界に鋭く切り込む熱血オカルト・コメディー!! (裏表紙より)
どーーーん!
緋色の誘惑
その1: 魂のお医者さん…霊能医師あんり先生VS職人的外科医加賀先生。

その2: 少女異変…狐憑き少女とポルターガイスト。

その3: 会社の怪談…地縛霊・風水的処方とワンマン部長。

その4: 不機嫌な家…家もヒトを選ぶ。素人御札はやめましょう。

その5: 世紀末ごっこ…ノストラダムスの大予言と大ばかエリート意識学生。あんり先生の不思議な生態。

登場人物:
あんり先生: マインド・メディカル・センター日比谷(オカルト専門病院)の霊能力(医)者、通称「魂のお医者さん」。カラオケで歌う中森明菜では聴く者を厳かな眠りに誘う強力なα波を発生させる。

一之宮梅子: あんり先生の崇拝者、看護婦長、歩く超常現象。面妖な顔だがあんり先生一筋で、理解のない者からあんり先生を守ることに手段は選ばない。

井上次郎: 病院の事務アルバイトの医大生。【ウシロ】に見込まれてあんり先生の病院で働くようになる。【ウシロ】の勧誘のせいか、加賀先生に対してだんだん変なホモ路線驀進中。

【ウシロ】: あんり先生の守護霊、東京タワーの上空におわす気性の荒い龍神さま。心優しいあんり先生を不貞な輩から守るために、見込んだ人間を巧妙に絡め取っていく。これが【ウシロの勧誘】と呼ばれている。タイトルの『緋色の誘惑』はこの意味。

加賀先生: 世田谷大学付属病院のブラック・ジャックといわれる硬派で愛想なしの外科医師。オカルトを心から憎んでいる。後輩井上君をオカルトの魔手から救うためにあんり先生に接近するが……。




霊体験も何もない私ですが、
本職の霊能者さんに協力して頂いて
明るく元気なオカルト漫画を描いてみました。
作者自身よく分からない所が
オカルトらしい…なんちって。
不思議なお話、楽しんで下さいね。
 (本書:扉より)



オカルト的な体験がないのによくオカルトなお話が描けるものだと感心します。しかも、コメディー。

エロイカより愛をこめて』がちょうど第22巻まで発行された頃の単行本ですね。
『エロイカ~』のあとがきなどでも描かれていますが、漫画家さんたちは感受性が強いのか結構オカルトな体験をしている方が多いようです。

金縛りにあったり、幽霊が見えたとか、部屋の空気が澱んだように感じたり、ラップ音がバシバシ聞こえたり、理由もなく肩が重くなった、など等etc…。



作者の場合でも、アシスタントの誰それに付いて来た霊が仕事場でうろちょろといたずらした、などということもあるようなのですが、不思議と青池先生はそういった現象に遭遇しないそうです。

遭遇しないというより、‘青池先生が来ると隠れてしまう’らしく、どうもオカルトの方が先生を避けている様子。
ぜひ、『オーラの泉』にでも出演して頂いて、どんな【ウシロ】がついているのか江原さんに診てもらいたいものです。

そんな青池保子先生がなにゆえオカルトなのかと思うのですが、時が1993年(平成5年)、巷ではノストラダムスの大予言ブームのおかげで、「1999年に何かが起こる~!?」と世紀末に向かって世間が突っ走っていた時代の一端であれば、そう不思議でもないのかもしれません。

この時期の世紀末オタクについて、作中では悪魔召還の儀式をしていて火傷を負って入院してきたバカ学生達を、

「ふん、巷のオカルト本の断片知識で知ったかぶりする幼稚な連中よ。
ノストラダムスをフランス古語カバラ 術数を使って学んだのかしらねえ」


などと妖怪婦長・一之宮さんに皮肉らせています。

本書『緋色の誘惑』では、オカルトには縁遠い作者の助っ人として、本職の霊能者(?)ありさ・Jさんに資料の提供など協力して頂いて描かれたマンガですが、実に‘青池保子流’の解釈でオカルトが面白く描かれています。


【ウシロ】と呼ばれる主人公あんり先生の守護霊は、時に気まぐれに若いあんり先生の体に憑依し、他人が見たら赤いワンピースを着たゴツイ男性、しかも偉そうにふんぞり返った変態!?に見えますが、

「小さいものの考えなど取るに足らぬわ」

「これの衣服などどうでもよい」


と全く意に介しません。

対する加賀先生は、

(中略)何を血迷ったか親父が霊感商法に惑わされて、おれのアメリカ留学費用のすべて

開運の印鑑セット
幸運を呼ぶ茶釜
黄金の七福神
般若心経柄入り豪華正絹寝具セット

に消費されてしまったのだ---!!


孝行息子のおれは親父を責めなかった。
厄年の彼には人知れぬ悩みがあったのだろう。

憎むべきは心の弱みにつけ込む悪しき輩だ。


あの時からオカルトの類は<おれの不倶戴天の敵となったのだ---!!



と、オカルトに惑わされた(と思っている)かわいい後輩・井上君の目を覚ますため、あんり先生の仕事に科学的医学的はたまた仕事にプライドを持つ職業医師として敢然と臨むのでした。



さて、主人公のあんり先生ですが、いままで読んだ作者の女性キャラの中で、かなり異色な方かと思います。
以前のエントリーで「女性キャラのパンチが弱い」と書いたのですが、今回の歩く超常現象・一之宮さんといい、あんり先生といい、女性でありながら面白いキャラは珍しいです。
しかし、あんり先生自身はむしろ常識的で礼儀正しく、乙女なのほほんさは残しつつ、仕事に関しては、

「信じたくない人に信じてもらわなくてもいいわ。
でも同じ医者なら、仕事の実績を示せば認めてくれるでしょう。

医者は患者を治すのが仕事です。

外科医がメスを使うように、私は霊能という技術を使います。
それだけの違いだと思いますわ」

私はプロです。

患者さんに責任があります


と、仕事にプライドを持つ極めて一般的な女性で描かれています。

また、結界を張った部屋(その2:少女異変)にずかずかと入り込んできた加賀先生に対し、

「加賀先生、あなたの行為は
外科手術中に雑菌だらけの部外者が侵入したのと同じ行為です!

患者を殺す気ですか---!!


と職業意識の高さから厳しく一喝したりもします。

また、心霊診断なども奇怪なお経や意味不明な小道具をこれ見よがしに使うシーンもなく、状況を的確に判断した上で対処・処方し、必要以上のお払いもしません。
性格も極めて普通でエキセントリックな要素は薄く、

「私の歌のどこが眠いのかしら。
誰も最後まで聞いてくれなくて淋しいわ…。

…私きっとオンチなんだわ。
気が遠くなるほど下手なんだわ」


などとストレス解消にカラオケに行きたいのに、一之宮さんしか彼女の歌に付き合えないことをメソメソと嘆いたりするところは、普通のOLさんと同じなのです。
彼女の特異なところは、優れた霊能力を持ちながらそれを奢ることなく、且つその才能を活かした仕事にプライドを持って真摯に打ち込んでいるところでしょう。


ついでに、カラオケに行くあんり先生たちを尾行していた加賀先生が、

ジュリアナ東京よりはましだ」

と呟くのが印象的です。…ってジュリアナ東京って今でもありましたっけ?
ああ、1994年(平成6年)に閉店してますね。ううーん、バブル崩壊前夜って時期だったんですね。






バブルと言えば、最近のお気に入りドラマ『神はサイコロを振らない』ですが、あの時代(バブルと呼ばれた時代?)を体感した人たちは今振り返えると
「ひゃーーーー!!(恥)」
と叫びたくなるんでしょうかね。ちょっと昔を振り返りつつ。

全くオカルトには関係ないですが、小林聡美ともさかりえ市川実日子の組み合わせって昔『すいか』ってドラマでも一緒でしたよね?
「視聴率では勝てなかったが…」と当のプロデューサーもおっしゃってましたが、製作者もとても思い入れのあるドラマだったようです。
特にものすごい展開があったり、劇的なドラマでもなく、割と淡々と進み、淡々と終わった記憶がありますが、こるちも好きだったなぁ~。
何がそんなに好きだったんだろう?
小林聡美が好きなのかなぁ?

なぁんか好きなんですよね、この女優さんたち。今ドラマも楽しみです。
小林聡美のフィンランド・オールロケ映画かもめ食堂』についてHoppeさんのブログ【ちょこっと北欧語】のエントリー『ふたりだともっと楽しい。』に紹介されていました。3月11日ごろから公開です。
ともさかりえは加藤晴彦主演の映画AIKI アイキ』、市川実日子は吉田秋生原作マンガの実写映画ラヴァーズ・キス』にも出てましたが、どちらもいい役者さんだなぁと宣伝。






あっとっと、ここはオカルトのコーナーだった。オカルト、オカルトっと。

オカルトといえば昔は私も何気に幽霊(?)みたいなものを見たこともあったのですが、最近はないなぁ。図太くなったからなの…??

代わりではないですが、神社マニアのくろん君がどうやら好かれるタイプ?なのか、学生の頃など部屋を暗くして眠れないくらい怖い思い出が満載らしいです。
ほんとに怖いらしく、夜中にTVでホラー映画のCMなんか見ようものならマジで固まります。
清水崇監督のモノなんか絶対見れません。

この清水崇監督のホラー映画『呪怨』『呪怨2』、めっさ怖いですね。

一緒に観た友人M嬢曰く、

「本当に見えるヒトが言ってましたけど、金縛りに遭う時の音とか、見える感覚とか、この映画でそのまま再現してあるんですって」
きゃーーー!!思い出して怖くなってきたよぅ。

ああ、でもこの『緋色の誘惑』はちょっとそういったホラーとは違います。
むしろ、『オーラの泉』とかそっち系に近いかと思います。
なにしろ【魂のお医者さん】ですから。
決して『細○数○』系ではないです。(いまだに呪いは続いてます)
頼むから夜中の2時頃にスパムメール送りつけるのやめてください。




バブルがそっと崩壊し始めた90年代初めのお話ですが、今読んでも相変わらず面白いですよ。

加賀先生が少佐系日本人でなかなかいいキャラだと追記しておきましょう。

この記事に対するコメント

こるちさん、こんにちは~。
持ってないんですが読んだことはあります。オカルト・コメディって初めてでしたよ。私も青池先生と同じくらいの霊感の持ち主なので、詳しいことは分からないけど楽しめました。キャラがいいですね~。加賀先生。。。少佐のような方で素敵でした。
青池先生の書く女性キャラは、好きか嫌いかにわかれるタイプが多いです。最近の大鼻マダムはかなり個性的ですよ。。。
【2006/03/05 21:55】
URL | youming #- *編集*

☆youmingさん、いらっしゃいませ~。
>私も青池先生と同じくらいの霊感の持ち主なので
こう書くとだいていは「すごく霊感が強い」と思われがちなのに、この場合だと「霊感・霊的体験なし」という事ですよね(^^;。

私は実はこのマンガ、手にとるのに結構時間かかりましたよ。なにせ「な、なんじゃ、この少佐のような伯爵のようなキャラは!?しかもオカルト!?」と。うーん、うーんと悩んだのは『エロイカ~』と同じで、ちょっと読んでみるとおもしろくてレジ速攻!なのも同じでした。

>大鼻マダム
わくわく、楽しみです。w
【2006/03/06 10:38】
URL | こるち #- *編集*

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