小さなお茶会 ~じるこん堂へようこそ~

匂いの迷路をひげの指すとおり進めば 少々思わぬことに出くわしても辿りつける…らしい。

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秋里和国 『花のO-ENステップ』全8巻 

花のO-ENステップw
何か女らしさのある男と
何か男らしさのある女が
いま----一番美しい…!!
わっくんのフラワーコミックス
大好評発売中

第8巻巻末(1984年当時)より
(注:写真はワイド版)
…ちゅーか、もうワイド版でしか出版されていない?

秋里和国(あきさと わくに)
花のO-ENステップ』シリーズ全8巻(ワイド版では全4巻になっています)

なんだか久々のマンガエントリー。
しかもまだ「あ行」から脱していないσ(^^;)…。
まね、気長に行きましょー。



〈作品メモ〉*初期オリジナル版
☆『花のO-ENステップ』シリーズ第1巻
花のO-ENステップ1

この学ランにたすきの彼女が主人公・江口浩美ちゃんです。
昭和57~58年(1982年~1983年) 【週刊少女コミック】掲載
小学館 【別コミ フラワーコミックス
昭和58年(1983年) 5月 初版発行
定価 360円 P191

第1巻収録作品
花のO-ENステップ』昭和57年(1982年) 第22~24号 掲載

背中に花をしょって』昭和57年(1982年) 第15号 掲載

気分はもう正方形昭和58年(1983年) 第3号 掲載
↑*こんな初期に『マンハッタンシンドローム』→『TOMOI』に発展する元脇役キャラ・友井久嗣(ともいひさつぐ)がすでに既出。『TOMOI』ファン要チェックですわよ。

デビュー作が2番目の『背中に花をしょって』で小学館新人コミック大賞に入賞(昭和57年 1982年)した作品です。
この初版が出た時点で、【週刊少女コミック】に『花のO-ENステップ』はシリーズ化して掲載中となっています。


消費税?まだないですよね、この頃。(遠い目)
安いなあ…ってマンガ家さんのギャラ(原稿料?)って青池保子先生でさえこの10年据え置かれてるって嘆いていましたっけ。いいのか!?日本のマンガ業界
大型中古書店非難してるバヤイなのだろうか…。
でもだからって単価が値上げされるのも困るなぁ。

むむむ、しかし単行本の単価が安いから学生でも頑張って買えるわけで、でも安いから本家作家のマンガ家さんのギャラ(原稿料?)は安いままなわけで、でもだからって中古書店を非難するのはどうなのだろう。うーむ。
個人的には、BOOK・OFF(ブックオフ)の出現は私にとって福音そのものだったわけで。
それこそ大量に生産され、小さな本屋のマンガスペースがどんどん新しいマンガで占められ、欲しかったマンガがどんどん消えていく現状とお財布の問題も伴い、出版業界が大型中古書店に規制をかけようという動きはマンガを読む側からすれば困ったことでもあるんですよねぇ。



第2巻以降
花のO-ENステップ2
花のOーENマジック』*花のO-ENステップPart2として連載開始。
第1話~第5話
昭和58年(1983年) 第5号より連載。
昭和58年(1983年) 8月 初版発行
定価 360円 P189

第3巻
花のO-ENステップ3
『花のO-ENマジック』シリーズPart2
花のO-ENショック』シリーズPart3
第1話~第4話
昭和58年(1983年) 11月 初版発行
定価 360円 P189

第4巻
花のO-ENステップ4
『花のO-ENショック』シリーズPart3
第5話~第8話
花のO-ENカップル』シリーズPart4
第1話~第2話
『巻末特別付ロクデモナイ 裏のおハナシあれこれ』
・花のO-ENシリーズ秘話
マンハッタン症候群(マンハッタン・シンドローム)ないしょの話
昭和59年(1984年) 2月 初版発行
定価 360円 P189

第5巻
花のO-ENステップ5
花のO-ENカップル』シリーズPart4
第2話(つづき!?)~第7話
『巻末特別付ロクデモナイ(その2)』
・ちょっとだけプロフィール
昭和59年(1984年) 5月 初版発行
定価 360円 P190

第6巻
花のO-ENステップ6
『花O-ENカップル』シリーズPart4
第8話~第13話
昭和59年(1984年) 8月 初版発行
定価 360円 P191

第7巻
花のO-ENステップ7
『花のO-ENカップル』シリーズPart4
第14話~第18話
ぜんまい仕掛けの心臓の音
*昭和57年(1983年) 9月増刊号に掲載
昭和59年(1984年) 10月 初版発行
定価 360円 P189

第8巻
花のO-ENステップ8
『花のO-ENカップル』シリーズPart4
第19話~第21話
金のラメふるエスコート
*【コロネット】昭和57年(1982年) 秋の号に掲載
マンハッタン症候群(マンハッタン・シンドローム)』
名作!こんなところに収録されていたんですね。
この後『TOMOI』に続きます。
*【週刊少女コミック】昭和58年(1983年) 第22号に掲載
昭和59年(1984年) 12月 初版発行
定価 360円 P189


しかし、週刊でこれだけのマンガを描いてるってこと自体驚異です。すげぇ~。




私はもともと雑誌派ではなく、基本的に単行本になってから読む方ですが、このマンガは病院の待合室で雑誌の【週刊少女コミック】を読んでいて気になり始めたものでした。
そういう意味では雑誌が美容院だったり病院だったりに置いてあることは一種の営業だともいえます(笑)。

病院で読んでいたその頃には連載も進んでいて、直下型超低音美声の持ち主で、耳元で囁かれた女性は皆腰がくだけ呆けてしまう(笑)という伝説の男子高校生・大仏(おさらぎ)くんが登場しており、軽薄長髪一見お気楽な主人公のひとり、天羽直時(あもうただとき)くんを凌駕する人気を博し始めていた時だったのではないでしょうか。

「*フリオ・イグレシアスも私の声を聞いたらおちこむぜ」
*スペイン出身の人気歌手。最近、日本でも話題になっている。
↑(1983年当時)注釈がじ、時代ですね。w

大仏(おさらぎ)くん、自分で美声を自覚しています。
うわー、肩幅ひろーい。
これで高校3年生ですよ。

ナナハンで送ってやるよ」
とバイクのナナハン(750cc)を乗り回す、…と思わせといて自転車で登場!

「ナ…ナナハンってこれ?」

「そう。名前をつけてやってるんだ。
健康的だろ」


と、足をくじいた浩美ちゃんを荷台がないマウンテンバイクのハンドル部分(乗れるものなのか!?)に乗っけて走るところなんか、できそうで無理でしょ!とつっこみたくなりますが、大仏(おさらぎ)くんならできるからいいのです。
(参照:『花のO-ENステップ』第2巻)

もちろんこのマンガの主人公は学ランを着せたら超美形男子高生に見間違われるというこれまた一見ユニセックスな感じの女の子、浩美ちゃんです。(第1巻表紙:参照)

まだデビュー間もないですが、この頃の秋里和国先生の‘絵’は好きなんですよね。

さて、1学年年下の天羽(あもう)くんを好きになったものの、年上だとか、男みたいな自分の容姿にちょっと気後れして素直になれなかったりだとか、他の女の子にとても人気があって誰にでもお気楽に話し掛けたりする彼が、自分を好きだと言ってくれても

「誰にでも調子いいんだから!」

とちょびっとひねくれてしまったりだとか、ええ、十分女の子!女の子!しています。

この秋里和国先生が人気を博した『花のO-EN』シリーズ第1巻は、ヒョーキン・花の応援団、団員天羽直時くん(1-F)と高校生のくせに常にグラサンの中村千秋くん(同じく1-F)に、一年先輩の江口浩美ちゃん(2-J)が加わって、もと女子高の陽成高校に笑いの嵐を巻き起こす、学ランスーパー学園ラブコメディーなのであります。

この「ヒョーキン」て形容が時代を表していますねぇ。
もちろんこの場合の「ヒョーキン」とはTV番組【おれたちひょうきん族】からの「オモシロイ」の意味です。
もともと「ひょうきんな」とか「ひょうきん者」とか使われていた言葉ですが、当時(1980年代)では、脳内検索をかけるとこのTV番組が上位に上がるくらい人気のあった番組でした。(多分…)
クラスの中で
「土曜日の夜はどっちを見てる?」
と聞かれたら、
8時だヨ!全員集合
か、
おれたちひょうきん族
かに分かれてどっちがおもしろいか?で何時間でもおしゃべりできるほどであったと記憶しています。
こるちの周辺では、この頃はどちらかというと【おれたちひょうきん族】派が優勢でしたな。

こるちは【8時だヨ!全員集合】派だったのですが、【ひょうきん族】派の友人たちはこぞっていかに【ひょうきん族】がおもしろいかとたたみかけ、学校での話題についていかねばと思ったらTVを観てないとついていけないこともしばしばでありました。わはははは(^^;なつかしー。

で、この「ヒョーキン」であることが時代のトレンド?だったのかお笑いブームの一端だったのか、クラスでも明るくて面白いヤツが人気者!という構造上、その対極に「ネクラ」「暗い」「地味~」であることがものすごーく「かっこ悪いこと」のように扱われていましたねぇ。
「あいつ、暗いよな!」
というのは学校ではものすごく肩身の狭い想いをする言葉だったような気がします。
社会人になれば、明るかろうが暗かろうが仕事ができれば無問題!なのにね。

男子だと当時は「バカ」とか「短足」、女子であれば「ブス」や「デブ」、よりも「ネクラ~!」と言われることの方がアイディンティティーに関わるほど厳しい評価のような空気だったように思います。

今ではどうなんでしょうね。
いわゆる「キャラ」が立っていれば無口でも何を考えているのか分からなくても会話に加わらなくても許される、という風潮になってきてはいると思いますがいかがでしょう?
しかし、この「キャラが立つ」っていうのも一般的に通じるようになってきた時にはそれはそれでどうーなのよ!?と思わないでもなかったのですが…。
TVの特集か何かで、ある集団の中で「キャラがかぶってるよ!」と指摘されてわざわざ「キャラを変更」したりしてるのを見た時は、「ネクラ」と指摘されてがんばって「明るく」なろうとする姿とかぶってそれこそ涙ぐましい(T-T)…と思ったりもしたものです。




とまあ、そんな感じの空気を参考にこの『花のO-EN』シリーズで、長髪軽薄お気楽で
「はーい、おベンキィ~!」
が挨拶ことばのおちゃらけキャラの天羽(あもう)くん(もちろん美形ですのよ!)は学園でもなかなかに人気者であったと思っていただきたい。

なんとなく、この天羽(あもう)くんの雰囲気はBONJOVIのジョンに似ているかな?と。(第2巻表紙:参照)
要するにハンサム二枚目クールっていうよりも明るくて愛嬌のあるタイプです。
何を言っても許してくれそうな包容力のある感じも漂っています。
これで高校1年生!(15歳?16歳?)
いいですねぇ、浩美ちゃん天羽(あもう)くんの取り巻きに囲まれてる時にさり気なくかばっている姿は、浩美ちゃんでなくともちょっときゅん♪とくるでしょう。

普段、男の子扱いされている女の子が憧れるパターンですね。
ちゅーかね、うら若い女の子でなくとも結構うれしいものですのよ。

ひとつ下でも男は男だなァ

天羽(あもう)くんの背中にすっぽりおさまった時の浩美ちゃん、君こそ十分に女の子だよ!と言いたい。




時に彼ら(天羽くんと千秋くん)が花の女子寮に間借りで入寮することになります。この辺が現実ではありえませんがスルーです。

寮長の浩美ちゃんはおおいにリーダーシップを発揮します。

「夜10時以降は部屋からでないこと。
それからみだらなかっこうで廊下を歩かないこと!
いいねー、わかったねー!!」
←(女子一同ブーイング)


「なんですこれ、江口さん?」

「境界線!」

「「境界線っ」」

「そっちから出る時には許可を得ること。
不自由じゃないだろ。
バス・トイレつきの部屋なんだから。
食事は男子寮でとるか差し入れ制にする」


「おれたちを拘禁するのかっ」

「自由をうばうのか。こっ…これではまるで

*連帯のワレサ議長じゃないか!! 泣くぞ!!」


*連帯…ポーランドの多数の労働者が参加している自主管理労働組合。ワレサを委員長とし物価問題や権利要求でヤルゼルスキの率いる政府と対立している。
(↑こ、これも時代でしょうか。今ならさしずめ特定アジアの●●●とか○○になるところかもしれません。)

「なんでポーランドが出てくんだっ。
あんたらみたく人気のあるのは何か問題を起こしかねないだろ。
そしたら寮長のわたしの責任になるわけ。

わたしは職員が寮の問題に介入してくることは極力防ぎたいんだ


『女子寮は今何故かポーランド
ヤルゼルスキ議長は、わたしはソビエトがわが国の問題に介入してくることは極力防ぎたいんだと述べ…うんたらかんたら
>拘束されたワレサ議長。なぜかふたり(本物はだれだ)…

「新聞部はなにを遊んでんだ…」

「浩美、あんたヤルゼルスキだって」

「その…ヤル…なんとかってなァに?」

(救国軍事評議会の議長なんていってもわかんないだろうなァ)
「おじぃ!」


「へー、浩美おじぃの役なんだ」

と悪気なく言われ浩美ちゃん、新聞部に抗議しにいったりします。



また、男子2名に朝食を差し入れに浩美の親友・青山奈々ちゃんが登場すると

「おとなりさーん、朝食でーす」

「はーい」

「待て直時、あの美声は奈々さんだ。
おれが出るっ」

天羽(あもう)くんを押しのけて出ていく千秋くんの第一声。

おはようございます。

快 眠 快 食 快 便 ですか?
」 

↑あくまで真面目。彼は奈々さんを愛しているのです。意味は概ね「お元気ですか?」だと思われます。

これは千秋くんの最大の迷言でしょう。



このシリーズはこの後好評でかなり続くこととなりました。(←全8巻まで)
でも、オチャラケ軽薄なだけではないのがこのマンガの魅力なんです。
時々入るシリアスな背景とか、ねじれる感情とか、そういうものがあってこその「ヒョーキン」なのが秋里和国先生のマンガの魅力であると思います。

シリアスとオチャラケの絶妙なバランス、そして秋里和国の'絵'の少女マンガにして肩幅があり、筋肉を感じさせる魅力的な男の子の背中の表現が、少女たちを惹きつけたのではないでしょうか。(第8巻表紙:参照)



この辺りの感覚は、今時のオタク青年(中年混じる?)の言うところの「絶対領域萌え~」と似ているのかもしれません。え?似てない?
男の子の背中に色気を感じる女の子は結構いると思うんですけど。

デビュー作の『背中に花をしょって』は『花のO-ENステップ』の先身のような部分がありますが、その中で、主人公の引っ込み事案でオクテの女の子・弓乃砂里栄(ゆみのさりえ)(2-J)が、顔もスタイルもいいのに目立ちたがり屋のため
「バカ丸出しね」
と酷評もされる里吉史臣(さとよしふみおみ)くん(3-A)に恋をします。

その恋に落ちた時の砂里栄ちゃん里吉くんへの気持ちがこう表現されています。



”あれは去年の体育際
いつもめだってた人だけど、あの日は特別目を引いたの。

「あ…あ、あ…あの人…。

背中…、肩から腰にかけての線…」


「ステキ…」(はぁと)

またガクランというものが男の背中をひどく色っぽくみせるものなので…”




と目に涙まで浮かべて応援団姿(ガクランです)の里吉くんの背中にずどんとっハートを持ってかれちゃった様子が描かれています。

わかる、わっかり過ぎてこるちも昔を思い出して部屋を転げまわりそうです。
そうそう、体育祭とか文化祭って何故か恋に落ちやすい行事でしたね!

ついでに、その背中の線に目がハートになる気持ち、ものすごくよぉーーーっく分かる。(力説)

学生諸君! くれぐれも背中や腹に余計な肉はつけないよーに!
いや、中年にこそ言いたい!
贅肉はんたーーい!(自戒も込めて)



それにしても、彼ら、なんか大人なんだよねー。
今の自分から見てもずいぶん大人っぽく見えます。


とはいえ、年下の男の子との恋三角関係(後に四角五角六角?関係に発展)、学園の合併に伴う天羽(あもう)くん率いるおちゃらけ花のO-EN団と大仏(おさらぎ)くん率いる正統派硬派伝統的応援団の主導権争いや、学園理事長と野球部甲子園と応援団のドタバタ、さりげなく盛り込まれているホモ路線、シリアスギャグの織り成す軽妙なやりとりは、20年以上経った今でもやはり面白いのでした。

さて、最後に浩美ちゃん名台詞で締めてみましょう。
応援団の主導権争いを選挙で決める決戦の当日、行方不明になった天羽(あもう)くんの代わりに壇上に上がったオトコらしい!?彼女の一言。

もう、こうなったらヤケくそだよ。

清くなくてもいい!

汚くてもかまわない!

あなたの1票がほしい!

(参照:『花のO-ENステップ』第3巻)

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