小さなお茶会 ~じるこん堂へようこそ~

匂いの迷路をひげの指すとおり進めば 少々思わぬことに出くわしても辿りつける…らしい。

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秋里和国 『デッド・エンド -袋小路-』 ② 

タイタンへの招待客
改めて、『デッド・エンド -袋小路-』に収録されている短編SF作品です。
*【別冊少女コミック】 昭和57年(1982年) 11月号増刊掲載

<登場人物>
ユウコ: タイタンへ招待された地球側の宇宙飛行士。脳天気な好奇心旺盛なお嬢さん。エバンを慕っている。

エバン: ユウコと違い、神経質で無愛想なタイプ。「デリケートでリリックな」性格でタイタンまでの航海中は食欲不振に不眠症になる。

所長?: タイタンと交渉する地球側の担当者。タヌキオヤジ。

ソギエ: タイタン人♂。本名ソギエ・ベヘーレン。

レーエン: タイタン人♀。本名レーエン・セベイエ。

コラーナ: タイタン人♂。タイタン人の長。

-------------------------------------------

地球土星の衛星・タイタンを発見してから1年。
タイタン側から非公式に招待を受け任務に赴いた2名の宇宙飛行士がいた。
地球人として初めてタイタン人と接触する重要な任務に選ばれたのは、神経質なエバンと脳天気少女ユウコ
タイタンの荒野を宇宙服で散歩中、タイタン人・ソギエに出会い、タイタン人の歓迎を受けるユウコ。
地球人のユウコが転ぶと同じように痛がるタイタン人。
タイタン人には激しい感情の波動を敏感に受け取る繊細な能力を持っていた---。

「いたー」

「いった~」

「なんでいたいの?」

「あんさんが痛いからやおまへんか、あー、痛い」

「?」

「わっ!、こりゃい痛いわ」

「え?」

「地球人の感情が出す波動は強い 聞いとったがこない強いとは思わんかったわ」


と激しい喜怒哀楽に免疫のないタイタン人はユウコの些細な痛みや驚き、喜びや悲しみにも敏感に共感してしまう。

(タイタン人が変な関西弁なのは「きつーい西部なまりの米語」でしゃべっているという設定なためです。)

歓迎を受ける最中、うっかりレーエン♀の足を踏んずけてしまったユウコに騒然となるタイタン人。

タイタンでは足を踏む行為は「求婚」の合図だった。

人口比率の関係上なのか同性同士の結婚も問題ないとするタイタン人。
レーエンが足を踏み返せば結婚は成立するという。
滞在中、エバンが事故死するというアクシデントに混乱するユウコとその激しい喜怒哀楽に引きずられるソギエ♂とレーエン♀。
感情に突っ走った三人が辿り着いた果ては…?



この作品はタイトル作『デッド・エンド -袋小路-』より少し前の昭和57年(1982年)の作品となります。
*『デッド・エンド -袋小路-』は昭和59年(1984年)10月11月号掲載、『オリジナル・シン -原罪-』は昭和60年(1985年)7月号掲載。

デビューして間もない頃で絵柄も前述の2作とは随分変わりますが、そのストーリーの基本に流れる和国節は随所に見られます。
花のO-ENステップ』シリーズの千秋くんの名言

「快眠快食快便ですか?」

の元は、このお話でユウコが神経質エバンを心配してまとわりつく時にも出てきます。

「エバン、食べれず眠れずじゃタイタンに着くころガイコツになっちゃう。
ユウコなんてもう快食快眠快便でさぁ


…好きなんですね、このフレーズ(^^;)。




さって、この32ページの短編SFは初期(昭和57年 1982年)の作品ながら、

地球人と宇宙人の交流は可能か!? (X-ファイル!?)
人間は分かり合えるのか!? (ヒューマンドラマ!?)
同性愛でいいの!? (ゲイマンガ!?)
愛はほんとに(地球を)救えるのか!? (SFファンタジー!?)
etc…などなど
そんないろいろなテーマもほの見えます。

このSFは、後のまったく和国ギャグを排除した『青のメソポタミア』(昭和62年 1987年~1989年 昭和64年?平成元年?:白泉社、【LALA】)や『ルネッサンス』(平成2年 1990年~平成3年 1991年:小学館プチフラワー】)へと発展していきます。
*昭和64年は1989年の1月7日まででした。1月8日からが平成元年でした。

作品としての知名度や完成度は当然『青のメソポタミア』『ルネッサンス』の方が高いと思いますが、この初期の作品『タイタンへの招待客』のラスト、主人公3人が感情のままに突き進んで「境界線」を越えた後の1シーンは、ロマンチック・コメディーとは思えない衝撃Σ(°θ°∥)があります。

この頃から秋里和国の作品には、宇宙人と地球人とか、男性と女性の境界線とか、異性愛同性愛もしくは両性愛人種間・民族間の争いごと、歴史の輪廻性などについて独特の世界観を形成し始めているようです。


『青のメソポタミア』 『ルネッサンス』と比較して読んでみても面白いでしょう。


ちなみに→土星の衛星リアルタイタンの画像

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